13)トラウマの影響は一時的ではなくその後の成長に関わる。

さて、ここまで幼少期のトラウマの影響ーダニエルの物語ーということで、バランスを崩した脳波がいかに個人の成長に影響を与えるかを書いてきました。
恐らくダニエルは、出産前のトラブルにより防衛反応を働かせて、副交感神経が過剰に優位な脳波パターンとなりました。
これはダニエルにとっては生存に不可欠で、そうでなければ早すぎる出産のためにダニエルはこの世に生まれることはなかったかもしれません。強すぎるフリーズモードは、いざというときのためにエネルギーを蓄えるモードです。
身体的には、うつ、体重増加、めまいや軽い頭痛、低血圧、倦怠感、思考能力の低下などをもたらします。
また精神的には、疎外感や孤独感を感じやすくなり、ダニエルのように内にこもり感情を表すことが苦手になりがちです。不安感となって現れます。
それだけではなく、幼少期にバランスが悪い脳波パターンの状態では、5感の発達にも影響を与えます。
トラウマは、虐待や心に傷を受けたという風にとらえられていますが、脳が感じるトラウマはさまざまです。
頭生まれる前のダニエルのような出産時のトラブル、出産時に母親がショックなことを経験したりすることも胎児に影響します。
生まれてからも、へその緒が巻き付いてしばらく呼吸できなくてしばらく麻痺が残っていたらしいというお客様もいました。ある疾患に悩んでいらっしゃいましたが、やはり幼少期の頃に強いフリーズ状態がみられました。
幼少期は両親の離婚やいじめなど心理的にショックなこともトラウマになります。頭を打ったり怪我をすることも外傷性のトラウマです。少しずつでも、脳が防衛反応を働かせる場面が色々あって、幼少期であればあるほど影響は受けやすくなります。
わたしが、できるだけ小学生などの年齢が若いうちにセッションをしたいと思うは、ここにも理由があります。
もし、バランスの崩れた脳波のせいで、引きこもりがちだったり、なかなか集中して勉強ができなかったり、落ち着きがなかったり、不安感が強かったりするとして、そのまま成長すればその性格なりの人格や行動パターンが形成されます。
でも、脳がバランスをとりもどしたことで、不安感も消えたなら、、、、そのお子さんの本来の性質を活かした方向に進んでくことができるはずです。
ブレインウェルネスで、セッションを受けてくださったある10歳のお子さんは、そのころ落ち着いて勉強に集中できる状態ではありませんでした。
学校の依頼で、親御さんがつきそって学校に行く日もあったほどです。不安感も強くて、泣き出すことも多かったです。
学校の長期休みの度に集中コースを何度か体験していただいたあと、何よりも態度が穏やかに落ち着きがみられるようになり、勉強もするようになり中学受験をして見事希望校に入学しました。学力中心というよりは、どちらかというと生徒一人一人に気を配ってくれる学校の方針が気に入って受験したそうです。
ブレインウェルネスを訪れる親御さんの多くが、「勉強ができるようになってほしいとかそういうことよりも、幸せに成長してほしい、ただそれだけです。」いうことをよくおっしゃいます。
まったく同感です。
私も、自分の甥っ子達にセッションをしたくてはじめたこの仕事ですが、当時思っていたことはその子なりの特性を活かして、幸せな人生を送ってほしいということの1点でした。
よく私がクライアント様に話すことで、ちょっと意味が分からないと言われることがあります。
「本来もっている性質や性格は変わらないけれど、脳のバランスの悪さからくる性格は変えられる。」ということです。
それは、言葉では分からなくてもいままでご紹介したような、グラフをみると分かってもらえると思います。
たとえば、副交感神経系は優位なほうがリラックスしていていいのですが、それが強すぎるとフリーズ反応を起こしています。
そこから生み出される性格は、やる気がない、うつぽい、忘れっぽい、なかなか物事を覚えられない、不安感がつよい、ぼーっとしているなど。
ダニエルのように強すぎるフリーズモードならば、普段は静かでも突然爆発することもあります。感情を解放するのにドラッグなど刺激物を求めることもあります。
「人の脳が極めて大きくバランスが崩れている状態にあるとき、人は反社会的な方法で振る舞う可能性があります。例えばダニエルがそうだったように、非合法薬物を使用することはしばしばあります。彼らの脳のバランスが崩れているため、薬物は単にセルフメディケーション(自分を癒すため)の方法の一つだからです。10代の若者たちは、自分を傷つけ、髪を抜き(抜毛癖)、拒食症や過食症になりますが、それもまた脳のアンバランスな状態を示すものです。」
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もし、これがバランスのとれた脳に戻った時には、やる気が向上する、元気が出てくる、思考もはっきりしてくる、集中しやすくなる、不安感も減る、そんな風に変わります。
こちらが本来のバランスのとれた脳で、本来の性質です。
「本来もっている性質や性格は変わらないけれど、脳のバランスの悪さからくる性格は変えられる。」
このグラフをみると、少しそのことが分かっていただけるのではないでしょうか?
脳はすべての司令塔。言葉は知られていますが、その本当の意味はまだ知られていないような気がします。
ぜひ、お子さんの可能性を最大に引き出して、幸せな人生を歩んでもらうためにも、この脳波最適化(Brainwave Optimaization)を活かしてほしいと思います。
次回、このシリーズの最後に脳波最適化(Brainwave Optimization)がどんな風に作用するのか、そのメカニズムについてお話します。
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